EMS-JP × 株式会社ネクステックの場合

電源不要の無線 LAN アクセスポイント「ポジモ」

ポジモ［poggimo］は「電源がない場所に、簡単にネットワークを！」をコンセプトに開発しました。
ポジモは電源のない場所でも簡単に設置できる、アクセスポイント機能と中継機能を併せ持った通信インフラです。
太陽光パネルと蓄電池を搭載しているため電源は不要、大人ひとりで持ち運べる省サイズで設置も簡単、防水・防塵加工済なので屋外の使用が可能です。中継機能もあるのでポジモを複数台用意すれば、ポジモ同士が自動認識してバケツリレー式に無線 LAN サービスエリアを拡張できます。ICT ソリューションの活用範囲が大きく拡がる通信インフラです。

ポジモ（右）と衛星データ通信装置（左）で災害時を想定したセットアップ

ポジモの活用実績

2013 年 3 月から販売しているポジモですが、現在では全国で活躍しています。
工事現場など無線環境がないフィールドはもちろん、花火大会などの野外イベントにも大勢のユーザーに 無料 Wi-Fi 環境を提供できます。
全国小学生ソフトボール大会で活用された例では、分散した 8 つのグラウンドのスコアを集約し、既存の web サービスと CMS を組み合わせて速報を出す仕組みを構築しました。
イベントだけではなく、胆振東部地震の際には避難所の Wi-Fi として活躍しました。私たち株式会社ネクステックは札幌に有りますが、避難所に設置したポジモをクラウドで監視し、役場の運用を遠隔地から支援していました。

ポジモのできるまで

ポジモは 2013 年 3 月から販売、と先ほどご紹介しましたが、構想自体は 10 年以上前からありました。構想から試作に着手したのは 2011 年頃です。
屋外でも使えてできるだけ軽く、耐候性が筐体が必要だったのですが、筐体試作から筐体量産に至るまでを EMS-JP グループ会員企業の株式会社リョウケさんにお願いしております。
北海道総合研究機構にお願いした試作品から型起こししていただき、2回の試作を経て量産へ至りました。
その間、4か月です。とっても短期間！
どうして短期間で開発が終了したのかと振り返ってみると…アジャイル開発的な「試作→改良→完成」を短期間で進めた手法がポジモの開発プロセスと相性がよかったと思います。

• 第一試作

約 6 kgある電池・回路の重みでたわみが発生

• 第二試作

リベットと内部フレームを追加してたわみ解消

今後のポジモの展開

現在も全国で活用していただいているポジモですが、まだ改良したい点もいくつかあります。
最優先しているのは、IEEE802.11ax対応で技術基準適合証明済みのUSBドングルの調達です。軽量化については社内でプロジェクトを進めています。
これらの改良を加えて、もっと活躍できるポジモにするためにも、EMS-JP グループ参加企業の皆様にはご協力お願いしたいところです。